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臨床報告
Cruveilhier-Baumgarten病の1手術例
著者: 永津正章1 奥村修一1 中山康夫1 津嘉山朝彦1 光野孝雄1 岡田聡2
所属機関: 1神戸大学医学部第1外科 2神戸大学医学部中検病理
ページ範囲:P.131 - P.137
文献購入ページに移動1942年,Armstrongら1)は「門脈圧亢進症のうち腹壁静脈の怒張があり臍部静脈血流の増加を示唆する静脈雑音と静脈振戦を認めるもの,また,これらは脾腫を伴うことが多いのであるが,これらはすべてCruveilhier—Baumgarten症候群とし,さらに剖検を行なつて臍静脈の開存を確認し,肝の線維化をまつたく,またはほとんどないことを確認した症例はCruveilhier-Baumgarten病と呼んでよいであろう」と提唱した.
わが国で,この定義・分類にしたがつてCruveilhier—Baumgarten病(以下,C-B病)と報告されたものは,私どもが渉猟し得た限りでは,松山2),早野ら3),福田ら4),宝ら5)の各1例と,同一症例と考えられる竹田ら6),新山ら7)の1症例,および武内ら8),吉田ら9)の1症例の合計6例である.
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