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雑誌目次

雑誌文献

臨床外科35巻10号

1980年10月発行

雑誌目次

特集 胆道ドレナージに伴うトラブル

T-tubeのトラブルと対策

著者: 羽生富士夫 ,   高田忠敬 ,   中村光司 ,   福島靖彦 ,   今泉俊秀 ,   佐藤裕一

ページ範囲:P.1377 - P.1383

はじめに
 胆石症の手術,とくに胆管系胆石症では,総胆管切開,截石術が行なわれ,その切開創に対しては,通常,T-tubeが設置される.このT-tube設置は,術式的に簡単なものであり,術後の胆道減圧,感染胆汁の排除,腹腔内への胆汁漏出の予防,遺残胆石の対策など,その臨床的価値は広く認められている.また,胆管損傷のrepairに際しても,splintと胆道減圧を目的としてT-tubeが用いられることが多い.
 このようにT-tubeの有用性に関しては異論のないところであるが,しかしながら,T-tube設置後の合併症も決して無視しうるものではない1).ここでは,胆石症手術におけるT-tubeの合併症と対策について自験例を中心に述べてみたい.

PTCDのトラブルと対策

著者: 柳沼征人 ,   黒田慧

ページ範囲:P.1385 - P.1393

はじめに
 PTCDは外科的閉塞性黄疸に対する侵襲の少ない減黄手段として最近広く行なわれるに至つている.その方法としては,①PTC影像下前腹壁直達法1),②右側胸壁法2,5),及び③USガイド下PTCD3)の3種が用いられ,それぞれの手技の改良,熟達によりかなり良好な成績が得られている.
 しかしながら,本法の有用性がクローズアップされる反面,本法に内在する危険性や本法施行時及びその後に起こり得る種々な偶発症やトラブルについての検討はやや裏面に押しやられた感が否めず,また本法の適応に関しても,胆管炎合併例に対する施行の可否など,必ずしも意見の一致が得られていない面も少なくない.

PTCDのトラブルと対策

著者: 平形征 ,   鈴木文直 ,   諏訪敏一 ,   土屋信

ページ範囲:P.1395 - P.1399

はじめに
 われわれが胆道疾患のX線診断に,初めて手をつけた頃,経口法,あるいは,経静脈法によつては,全く造影不能である閉塞性黄疸症例に,諸先輩達が苦労し,一般化した,経皮経肝的胆管造影法(PTC)を試みて,その明瞭なX線写真に眼を洗われる思いをしたものであつた1-4).一方,胆汁の鬱滞のため拡張している胆管に,造影のための穿刺針が到達しているにも拘らず,これをそのまま,胆汁drainageのための方策として利用し,患者の状態を改善する事のできぬもどかしさも感じていた.
 近年,われわれは,PTC施行時に一般的に使用されている,21G(直径0.8mm)の造影針内を容易に通過する,先端部のみ屈曲性の,特別製guide wireを工夫した.造影針によつて,胆管の穿刺がなされれば,このguide wireによつて,直径2mm程度の細い胆管からも,catheterの挿管が容易である5-7)

内視鏡的乳頭括約筋切開術(endoscopic sphincteropapillotomy)のトラブルと対策

著者: 相馬智 ,   小野美貴子 ,   藤田力也

ページ範囲:P.1401 - P.1407

はじめに
 内視鏡的乳頭括約筋切開術endoscopic sphincteropapillotomy(EST)は,内視鏡直視下に乳頭を切開する方法であり,1973年に臨床応用1-3)がはじめて可能となつた.以来既に全世界で10,000例をこえる臨床例があると考えられる.最初遺残胆道結石に対する非手術的方法として出発した本法も,その後適応が拡大され,papillary stenosisやmalignancyに対するpalliation4)にまで行なわれるようになつた.これらの適応に対しては外科側からの批判や疑問がおこるようになつた.更には症例数の増加にともない,合併症もふえるようになつた.本稿では適応と意義についての考えをのべ,合併症とその対策について論ずることにする.方法については前著を参照されたい.

カラーグラフ トピックス・5

術後胆道鏡の効用

著者: 山川達郎 ,   小牧文雄

ページ範囲:P.1374 - P.1375

 胆道鏡は元来,術中の胆管内精査を目的として製作されたもので,当科における胆道fiberscope開発もまた例外ではなかつた.しかしながら術中胆道鏡検査を施行しても遺残結石を完全に予防し得ないという事実に直面すればするほど,術後胆道鏡検査の重要性が痛感され,同時に著者らの胆道fiberscopeに対する期待もまた変遷を重ねてきた.(図①)及び(図②)は著者のひとり山川を中心に開発,改良を重ねてきた胆道fiber—scope並びに結石摘出用鉗子である.本法は術後3週間以降にtube抜去後の瘻孔を介して胆道fiberscopeを挿入し,生理食塩水点滴下に観察を行なうものであるが,内視鏡的に疑問を認めた場合など胆道鏡下に選択的胆管造影を施行できるようX線透視室にて実施するのが普通である.なお器具の消毒には現在エチレンオキサイド・ガスが用いられているが.最近では消毒液の中にこれを浸漬する方法も開発されている.
 術後胆道鏡検査の主な目的は,遺残結石や肝内結石の発見と摘出,並びに術中に見逃された悪性腫瘍の発見にあるが,本法はX線学的に質的診断を下し得ないものに対して,100%の正確さを期待される極めて重要な検査法としても普及しつつある.

PTCD—私たちの工夫

これからの経皮的胆汁ドレナージ—超音波映像下穿刺法

著者: 土屋幸浩 ,   江原正明

ページ範囲:P.1409 - P.1414

はじめに
 現在行なわれているX線透視下の経皮的胆汁ドレナージの手技上の最大の欠点は,胆管穿刺に伴う肝内血管の同時穿刺である.特に胆管と併走する門脈の穿刺はbile—blood fistula1)や胆管内出血の原因となり,これによつて病状はかえつて悪化し,簡便な経皮的手技の価値を著しく減じるものである.経皮的ドレナージの適応とされる急性化膿性胆管炎2)においても,血管穿刺のほかに経皮経肝胆道造影(PTC)によつて生じる胆管内圧上昇という胆管炎増悪因子があり,経皮的ドレナージは開腹処置に比べて必ずしも安全確実な方法との評価は得られていない.これはX線透視下穿刺とはいつても一種のブラインド穿刺で行なわれていることに起因している.
 一方,最近になり体内臓器を断層像として捉えられる超音波診断装置,とくに高精能のリアルタイム装置を応用して深部臓器の穿刺を行なう工夫が生れてきた3).この超音波穿刺は,穿刺目標物とその穿刺の過程を三次元的に映像で観察しながら行なえるものであり,従来のブライド穿刺では得られなかつた確実性と安全性がもたらされる.

超音波誘導胆道ドレナージ法—PTCDの安全対策として

著者: 万代恭嗣 ,   伊藤徹 ,   渡辺五朗 ,   神谷喜八郎 ,   別府倫兄 ,   二川俊二 ,   牛山孝樹 ,   和田達雄 ,   幕内雅敏

ページ範囲:P.1415 - P.1418

はじめに
 経皮経肝胆道造影およびドレナージ(PTCD)は,閉塞性黄疸患者の術前減黄手段のひとつとして広く行なわれ,安全な手術の施行に役立つている.PTCD発展の過程では,X線テレビの採用や,PTCを細い針で行なうなどの工夫がみられ,さらに高田ら1)の影像下直達法の考案により,現在では,高いPTCD成功率が得られている.しかし影像下直達法をもつてしても,目標胆管までの距離の測定や,針先が胆管に到達したかどうかの判定は困難で,初心者にとつては,必ずしも容易な方法ではない.これらの欠点を補なうのが,超音波の導入である.われわれは,1977年に超音波誘導によるPTC(超音波PTC)を行なつて以来,超音波を用いた胆管穿刺の確実性・容易性や選択的穿刺の有用性を発表してきた2,3).超音波誘導による経皮経肝胆道ドレナージ(超音波PTBD)は,この手技を発展させたもので,誰にでも,たやすく安全に胆道ドレナージが可能となつた.そこで,本稿では,胆道ドレナージ法として理想に近い超音波PTBDの方法・利点・問題点につき述べ,従来の方法では得にくかつた,いくつかの安全対策が,超音波を用いることにより解決されたことを示したい.

PTCD施行時の安全対策—2方向式X線テレビを利用したPTCDを中心に

著者: 永川宅和 ,   滝邦知 ,   小西一朗 ,   宮崎逸夫

ページ範囲:P.1419 - P.1423

はじめに
 PTCDは,非観血的で,しかも侵襲の少ない優れた胆汁誘導法であるが,その適応や管理をあやまると思わぬ合併症を招いたり,良好な減黄効果が得られず,他の誘導法ならば救い得たかも知れないような症例を失うことになる.また,PTCDの手技・方法についても施設による違いがかなりみられ,多くの努力や工夫がなされているにかかわらず,その安全性,確実性の点で未だ完全なものとはいえない.
 私どもの教室では,過去8年間に400例余りのPTCと200例近くの症例にPTCDを経験してきたが,とくにPTCD施行後の合併症は軽いものを含めると少なからずみられ,その原因として刺入に際しての技術的なミスや管理上のミスが目立つた1)

わが教室自慢の手術器具・11

慈大2外式レトラクター

著者: 青木照明 ,   長尾房大

ページ範囲:P.1426 - P.1427

 いかなる手術においても目標とする手術部位の必要にして十分な露出,手術視野の確保は安全かつ確実な手術遂行のために最も基本的な条件の一つである.そのために腹部外科においても皮膚切開アプローチの方法から,開創鈎などについても古くから種々の工夫がなされている.また,第二助手の鈎の持ち方牽引の仕方なども重要なトレーニングのひとつとさえなつている.しかし,食道裂孔噴門部やダグラス窩深部などでは手術視野の十分な確保は必ずしも容易ではない.特に,近年の日本人の体格の向上あるいは肥満体の急激な増加は腹腔内手術を難かしくする傾向にあり,その原因の一つは手術視野の確保の困難性にあると思われる.そこで私共は4〜5年前より十分な手術野の確保と固定性の良好な開創鈎の開発を試みてきたがかなり満足できる形となつてきているので紹介したい.
 参考とした主なレトラクターは,Weinbergらのhoe retractor(手持ち),Goligherらのチェーン式胸骨レトラクター,Marburg大グループの固定式肝臓鈎などである.

鼎談

—Dr. Jordanを囲んで—SPVの問題点とその評価

著者: ,   青木照明 ,   広田和俊

ページ範囲:P.1429 - P.1438

 SPV(近胃迷切術)は,一般外科医の間でも近年拡がりつつあるが,今回アメリカの第一人者であるJordan教授を中心に,SPV 10数年の歴史をふりかえりながら,その問題点と評価につき日米討論を願つた.

臨床研究

早期胃癌の統計的観察よりみた検討

著者: 林正泰 ,   横山伸二 ,   曽我浩之 ,   三好恵一 ,   野口敦 ,   高嶋成光 ,   松浦久明 ,   三木直二

ページ範囲:P.1439 - P.1444

はじめに
 早期胃癌の大綱が1963年に定められてから,早くも16年の年月を経過し,その間に種々の報告がなされてきた.早期胃癌は手術によりその成績はきわめて良好で,ほとんど100%に近い遠隔生存率がえられるものと考えられていたが,本症の研究が系統的に行なわれるようになつてきて,必ずしも完全治癒するとは限らず,進行癌同様に再発もある程度ありうるし,さらに再発の可能性の強いものにもそれなりの特徴があることもわかつてきた.そうなると本症の再発予防の問題は大いに重要なポイントとなつてくるし,重点的な対策もたてられるわけである.
 最近早期胃癌の発見が多くなつたのは胃集団検診の普及とともに,X線検査,内視鏡検査,細胞診,生検などの診断法の進歩と向上によるものである.しかし症状を訴えて病院を訪れる人のみを対象としていては,おのずから発見に限度があるため,今後はすすんで健康者とみえる人を検査する胃集検が必要となつてくる.早期胃癌の歴史をみるとき全国集計による報告をはじめ,種々の検討,遠隔成績の報告があり,その実態も次第に解明されつつある.しかしまだ僅かではあるが数%の再発死亡例がみられる.早期胃癌の治癒率をより高く100%近く治癒せしめることが可能であるという希望からすれば,もつとも外科療法の適応にかなつた癌であるといえる.早期癌は胃癌,子宮癌,乳癌,肺癌などにおいては集団検診によるその成果がみられるが,食道,肝・胆・膵系,結腸の早期癌はきわめて稀であり,早期癌を目標とした診断,治療が今後望まれる課題であると思う.今回早期胃癌319例の自験例について述べてみたい.

切除不能肝門部癌に対する経皮経肝的胆管ドレナージによる治療の経験

著者: 磯田義博 ,   佐藤泰雄 ,   大塚康吉 ,   小野監作 ,   古谷四郎 ,   鈴木芳英 ,   大森義一 ,   三好敬徳 ,   辻尚志 ,   園部宏

ページ範囲:P.1445 - P.1451

はじめに
 肝門部癌は,癌腫の浸潤が門脈,肝動脈や肝内胆管におよび切除不能であることが多く,姑息的な胆管ドレナージを行なうにしても位置的に操作が困難である.われわれは1977年以降に11例の切除不能肝門部癌に対し,主として経皮経肝的胆管ドレナージ(以下PTCDと略す)による治療を行ない,うち4例に1年以上の生存を得てかなりの期間自宅療養させることもできた.しかし本法が長期におよぶこと,原疾患が進行性の悪性疾患であることなどにより,次のような問題点に遭遇した.
 ① ドレナージが長期にわたるとチューブの内腔へフィブリンなどが沈着し閉塞してくる.
 ② 胆管の閉塞部が高位であると,チューブの胆管内での長さが十分とりにくく,少しチューブがずれてもドレナージが不良となりやすい.
 ③ 左右肝管いずれか一方のみのドレナージでは他方の胆管炎を合併することが多く,両側のドレナージが必要となる.
 ④ さらに癌が進行し肝管の2次分枝以上が分断されてくると,ドレナージされない部分が生じてきて難治性の胆管炎を併発しやすい.
 以上の諸点に関してわれわれの経験を紹介する.

PTC直接法による経皮経肝的胆管挿管法

著者: 平形征 ,   鈴木文直

ページ範囲:P.1453 - P.1457

はじめに
 閉塞性黄疸の診断に欠く事のできない経皮経肝的胆管造影法(PTC)の手技を,黄疸の軽減のために利用しようとする試みは旧くこれに関する報告も多い1-4).近年,PTCの実施に際しては,直径0.7〜0.8mm程度の細い穿刺針を用いるようになつたため,安全性は向上したものの,この針をそのまま胆汁のdrainageに利用するには,その細さ故に不可能となつてしまつた.
 現在実施されている経皮経肝的胆管drainage法(PTC-D法)の多くは,0.7〜0.8mm程度の穿刺針でPTCを施行した後に,drainageのためのcatheterが挿入できるような針で,改めて胆管を穿刺する,いわゆる,two step法である5-8).この方法の欠点は,①特に,左葉枝を目標とする時は,これを造影するために,大量の造影剤を必要とし,胆道内圧の上昇が避けられず,これによる合併症の危険が大である.②造影剤を拡張した左胆管に大量注入すると,穿刺針の透視下での確認と,目標とする胆管の穿刺が困難である.③PTC-Dのための穿刺針はPTC針に比べて太いため,穿刺を反復できない,等である.

胃潰瘍に対する楔状切除兼迷走神経切離術—高位胃潰瘍および胃角上部潰瘍に対する適応の可否

著者: 蔵田裕彦 ,   児玉求 ,   江崎治夫

ページ範囲:P.1459 - P.1463

はじめに
 高位胃潰瘍に対する術式は潰瘍が高位に存在するがために種々の問題を内蔵し,古来消化器外科の重要テーマの一つとなつている.すなわち,幽門側胃切除を噴門側に拡大すれば残胃の極小化を招き,噴門側胃切除では食道噴門括約機構の破壊によつて逆流性食道炎が惹起される.
 潰瘍の治療と同時にこれらの小胃症状や逆流性食道炎などの術後合併症を未然に防ぐことに先人の注意が払われ各種の術式が行なわれてきた.かつてはKelling—Madlener1,2)らのごとく潰瘍部を残存させ幽門側胃切除を行なう方式がとられたこともあり,潰瘍を含めて小彎側のみを広く切除し大彎側を大きく残す術式3,4),胃体部帯状切除術5)などが行なわれ,近年では更に多様化した術式が行なわれている.

乳腺Paget病10例の検討

著者: 外間章 ,   正義之 ,   仲松栄 ,   名嘉真武男 ,   国吉光雄 ,   野原雄介

ページ範囲:P.1464 - P.1468

はじめに
 乳房乳頭の湿疹性病変を伴い,乳頭表皮内に特異な明るい大型のPaget細胞がみられる乳腺Paget病の頻度は全乳癌の1.2〜3.2%1),4.3%11)である.われわれの施設において1972年8月より1979年8月までの7年間に90例の乳癌症例があり,その中で10例のPaget病を経験した.すなわち全乳癌の11.1%にあたり,これは他の施設の報告に比して高率である.これら10例について述べ,文献的考察を加えたい.

外科医の工夫

癌末期大量腹水に対する腹腔・大静脈シャントの経験

著者: 樋上駿 ,   沢田寿仁 ,   池永達雄 ,   秋山洋 ,   吉場朗 ,   熊田博光 ,   竹内和男 ,   小宅映士 ,   西蔭三郎 ,   和田孝次

ページ範囲:P.1469 - P.1475

はじめに
 癌の治療には現在,手術,放射線,化学,免疫の4療法が主なものであるが,癌末期患者における大量腹水に対しては,これらが無効の場合が多い.制癌剤の腹腔内注入は癌性腹膜炎による腹水貯溜に対してはしばしば効果的であるが,massiveな肝転移による腹水貯溜に対しては効果が極めて少ない.利尿剤投与も効果が少ない.しかし患者にとつて大量の腹水貯溜は耐えがたい苦痛である.
 このような内科的治療でコントロール不可能な癌末期肝転移による大量腹水患者に対し私どもは,脳外科領域で水頭症患者に用いられるone-way valveを使つて腹腔・大静脈シャント(以下P-V shunt)を作成し,腹水を持続的に静脈系に流し,患者の腹満感を軽減しえたので報告する.

臨床報告

外傷性心嚢内横隔膜ヘルニアの1例

著者: 武田剛一郎 ,   戸田央 ,   淵上知昭 ,   岩崎裕 ,   馬淵原吾 ,   倉光秀麿 ,   織畑秀夫

ページ範囲:P.1477 - P.1480

はじめに
 外傷による横隔膜ヘルニアは鈍的,鋭的外力により,主に左側横隔膜,稀れに右側横隔膜に破裂を生じ,受傷直後,あるいは一定期間を経過した後,腹腔内臓器が胸腔内に嵌頓することが多いが,心嚢底部横隔膜が破裂し,これより心嚢内に嵌頓し,心タンポナーデを併発する例は非常に稀れである.
 最近われわれは,外傷による心嚢内横隔膜ヘルニアと,これにより心タンポナーデを併発した症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

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雑誌「SURGERY」最新号目次

ページ範囲:P.1425 - P.1425

SURGERY—Contents, September 1980 Vol.88, No.3 ©By The C. V. Mosby Company
 今回,米国Mosby社の御好意により、世界的な外科雑誌"Surgery"の最新目次を,日本の読者にいち早く,提供出来るようになりました。また,この雑誌"Surgery"御購読の場合,医学書院洋書部(03-814-5931)へお申込み下さい。本年の年間購読料は施設\18,000,個人\12,600です。雑誌はMosby社より,直送いたします。

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

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