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文献詳細

雑誌文献

臨床外科35巻10号

1980年10月発行

文献概要

カラーグラフ トピックス・5

術後胆道鏡の効用

著者: 山川達郎1 小牧文雄1

所属機関: 1帝京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1374 - P.1375

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 胆道鏡は元来,術中の胆管内精査を目的として製作されたもので,当科における胆道fiberscope開発もまた例外ではなかつた.しかしながら術中胆道鏡検査を施行しても遺残結石を完全に予防し得ないという事実に直面すればするほど,術後胆道鏡検査の重要性が痛感され,同時に著者らの胆道fiberscopeに対する期待もまた変遷を重ねてきた.(図①)及び(図②)は著者のひとり山川を中心に開発,改良を重ねてきた胆道fiber—scope並びに結石摘出用鉗子である.本法は術後3週間以降にtube抜去後の瘻孔を介して胆道fiberscopeを挿入し,生理食塩水点滴下に観察を行なうものであるが,内視鏡的に疑問を認めた場合など胆道鏡下に選択的胆管造影を施行できるようX線透視室にて実施するのが普通である.なお器具の消毒には現在エチレンオキサイド・ガスが用いられているが.最近では消毒液の中にこれを浸漬する方法も開発されている.
 術後胆道鏡検査の主な目的は,遺残結石や肝内結石の発見と摘出,並びに術中に見逃された悪性腫瘍の発見にあるが,本法はX線学的に質的診断を下し得ないものに対して,100%の正確さを期待される極めて重要な検査法としても普及しつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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