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特集 胆道ドレナージに伴うトラブル
PTCDのトラブルと対策
著者: 平形征1 鈴木文直1 諏訪敏一2 土屋信3
所属機関: 1埼玉がんセンター放射線部 2大宮赤十字病院外科 3千葉市立病院外科
ページ範囲:P.1395 - P.1399
文献購入ページに移動われわれが胆道疾患のX線診断に,初めて手をつけた頃,経口法,あるいは,経静脈法によつては,全く造影不能である閉塞性黄疸症例に,諸先輩達が苦労し,一般化した,経皮経肝的胆管造影法(PTC)を試みて,その明瞭なX線写真に眼を洗われる思いをしたものであつた1-4).一方,胆汁の鬱滞のため拡張している胆管に,造影のための穿刺針が到達しているにも拘らず,これをそのまま,胆汁drainageのための方策として利用し,患者の状態を改善する事のできぬもどかしさも感じていた.
近年,われわれは,PTC施行時に一般的に使用されている,21G(直径0.8mm)の造影針内を容易に通過する,先端部のみ屈曲性の,特別製guide wireを工夫した.造影針によつて,胆管の穿刺がなされれば,このguide wireによつて,直径2mm程度の細い胆管からも,catheterの挿管が容易である5-7).
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