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文献詳細

雑誌文献

臨床外科35巻10号

1980年10月発行

文献概要

PTCD—私たちの工夫

これからの経皮的胆汁ドレナージ—超音波映像下穿刺法

著者: 土屋幸浩1 江原正明1

所属機関: 1千葉大学医学部第1内科

ページ範囲:P.1409 - P.1414

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はじめに
 現在行なわれているX線透視下の経皮的胆汁ドレナージの手技上の最大の欠点は,胆管穿刺に伴う肝内血管の同時穿刺である.特に胆管と併走する門脈の穿刺はbile—blood fistula1)や胆管内出血の原因となり,これによつて病状はかえつて悪化し,簡便な経皮的手技の価値を著しく減じるものである.経皮的ドレナージの適応とされる急性化膿性胆管炎2)においても,血管穿刺のほかに経皮経肝胆道造影(PTC)によつて生じる胆管内圧上昇という胆管炎増悪因子があり,経皮的ドレナージは開腹処置に比べて必ずしも安全確実な方法との評価は得られていない.これはX線透視下穿刺とはいつても一種のブラインド穿刺で行なわれていることに起因している.
 一方,最近になり体内臓器を断層像として捉えられる超音波診断装置,とくに高精能のリアルタイム装置を応用して深部臓器の穿刺を行なう工夫が生れてきた3).この超音波穿刺は,穿刺目標物とその穿刺の過程を三次元的に映像で観察しながら行なえるものであり,従来のブライド穿刺では得られなかつた確実性と安全性がもたらされる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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