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PTCD—私たちの工夫
超音波誘導胆道ドレナージ法—PTCDの安全対策として
著者: 万代恭嗣1 伊藤徹1 渡辺五朗1 神谷喜八郎1 別府倫兄1 二川俊二1 牛山孝樹1 和田達雄1 幕内雅敏2
所属機関: 1東京大学医学部第2外科 2国立がんセンター外科
ページ範囲:P.1415 - P.1418
文献購入ページに移動経皮経肝胆道造影およびドレナージ(PTCD)は,閉塞性黄疸患者の術前減黄手段のひとつとして広く行なわれ,安全な手術の施行に役立つている.PTCD発展の過程では,X線テレビの採用や,PTCを細い針で行なうなどの工夫がみられ,さらに高田ら1)の影像下直達法の考案により,現在では,高いPTCD成功率が得られている.しかし影像下直達法をもつてしても,目標胆管までの距離の測定や,針先が胆管に到達したかどうかの判定は困難で,初心者にとつては,必ずしも容易な方法ではない.これらの欠点を補なうのが,超音波の導入である.われわれは,1977年に超音波誘導によるPTC(超音波PTC)を行なつて以来,超音波を用いた胆管穿刺の確実性・容易性や選択的穿刺の有用性を発表してきた2,3).超音波誘導による経皮経肝胆道ドレナージ(超音波PTBD)は,この手技を発展させたもので,誰にでも,たやすく安全に胆道ドレナージが可能となつた.そこで,本稿では,胆道ドレナージ法として理想に近い超音波PTBDの方法・利点・問題点につき述べ,従来の方法では得にくかつた,いくつかの安全対策が,超音波を用いることにより解決されたことを示したい.
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