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臨床研究
切除不能肝門部癌に対する経皮経肝的胆管ドレナージによる治療の経験
著者: 磯田義博1 佐藤泰雄1 大塚康吉1 小野監作1 古谷四郎1 鈴木芳英1 大森義一1 三好敬徳1 辻尚志1 園部宏2
所属機関: 1岡山赤十字病院外科 2岡山赤十字病院病理
ページ範囲:P.1445 - P.1451
文献購入ページに移動肝門部癌は,癌腫の浸潤が門脈,肝動脈や肝内胆管におよび切除不能であることが多く,姑息的な胆管ドレナージを行なうにしても位置的に操作が困難である.われわれは1977年以降に11例の切除不能肝門部癌に対し,主として経皮経肝的胆管ドレナージ(以下PTCDと略す)による治療を行ない,うち4例に1年以上の生存を得てかなりの期間自宅療養させることもできた.しかし本法が長期におよぶこと,原疾患が進行性の悪性疾患であることなどにより,次のような問題点に遭遇した.
① ドレナージが長期にわたるとチューブの内腔へフィブリンなどが沈着し閉塞してくる.
② 胆管の閉塞部が高位であると,チューブの胆管内での長さが十分とりにくく,少しチューブがずれてもドレナージが不良となりやすい.
③ 左右肝管いずれか一方のみのドレナージでは他方の胆管炎を合併することが多く,両側のドレナージが必要となる.
④ さらに癌が進行し肝管の2次分枝以上が分断されてくると,ドレナージされない部分が生じてきて難治性の胆管炎を併発しやすい.
以上の諸点に関してわれわれの経験を紹介する.
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