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文献詳細

雑誌文献

臨床外科35巻10号

1980年10月発行

文献概要

臨床研究

PTC直接法による経皮経肝的胆管挿管法

著者: 平形征1 鈴木文直1

所属機関: 1埼玉がんセンター放射線部

ページ範囲:P.1453 - P.1457

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はじめに
 閉塞性黄疸の診断に欠く事のできない経皮経肝的胆管造影法(PTC)の手技を,黄疸の軽減のために利用しようとする試みは旧くこれに関する報告も多い1-4).近年,PTCの実施に際しては,直径0.7〜0.8mm程度の細い穿刺針を用いるようになつたため,安全性は向上したものの,この針をそのまま胆汁のdrainageに利用するには,その細さ故に不可能となつてしまつた.
 現在実施されている経皮経肝的胆管drainage法(PTC-D法)の多くは,0.7〜0.8mm程度の穿刺針でPTCを施行した後に,drainageのためのcatheterが挿入できるような針で,改めて胆管を穿刺する,いわゆる,two step法である5-8).この方法の欠点は,①特に,左葉枝を目標とする時は,これを造影するために,大量の造影剤を必要とし,胆道内圧の上昇が避けられず,これによる合併症の危険が大である.②造影剤を拡張した左胆管に大量注入すると,穿刺針の透視下での確認と,目標とする胆管の穿刺が困難である.③PTC-Dのための穿刺針はPTC針に比べて太いため,穿刺を反復できない,等である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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