icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科35巻10号

1980年10月発行

文献概要

臨床研究

胃潰瘍に対する楔状切除兼迷走神経切離術—高位胃潰瘍および胃角上部潰瘍に対する適応の可否

著者: 蔵田裕彦1 児玉求1 江崎治夫1

所属機関: 1広島大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1459 - P.1463

文献購入ページに移動
はじめに
 高位胃潰瘍に対する術式は潰瘍が高位に存在するがために種々の問題を内蔵し,古来消化器外科の重要テーマの一つとなつている.すなわち,幽門側胃切除を噴門側に拡大すれば残胃の極小化を招き,噴門側胃切除では食道噴門括約機構の破壊によつて逆流性食道炎が惹起される.
 潰瘍の治療と同時にこれらの小胃症状や逆流性食道炎などの術後合併症を未然に防ぐことに先人の注意が払われ各種の術式が行なわれてきた.かつてはKelling—Madlener1,2)らのごとく潰瘍部を残存させ幽門側胃切除を行なう方式がとられたこともあり,潰瘍を含めて小彎側のみを広く切除し大彎側を大きく残す術式3,4),胃体部帯状切除術5)などが行なわれ,近年では更に多様化した術式が行なわれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?