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文献詳細

雑誌文献

臨床外科35巻11号

1980年11月発行

特集 私の縫合材料と縫合法

創傷治癒からみた縫合糸—消化管吻合創を中心に

著者: 北島政樹1 相馬智1

所属機関: 1杏林大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1512 - P.1521

文献概要

はじめに
 吻合法からみた吻合部の治癒機転については種種の研究があるが,縫合糸と治癒機転の相関についての研究は少ない.縫合糸は治癒が進行する時に,縫合後3〜4日の間,物理的結合力として重要な役割を演じていることは周知の事実である.このような重要な縫合糸もそれ自身,組織に対し種々の組織反応,つまり炎症,破壊など創傷治癒に対し遅延因子として作用する場合がある.そこで今回,消化管吻合創の治癒に対し,縫合糸がどのような影響を及ぼしているか,またいかなる吻合法と縫合糸を用いたら理想的な消化管吻合が可能かを,主として創傷治癒の面から検討し知見を得た.
 検討に際しては著者が従来から言及してきた吻合創の経時的変化の研究成績を基にし,今回はとくに吻合法による創傷治癒の差および組織反応の異なると思われる4種類の縫合糸chromic catgut,silk(Black Braided),P. G. A(Polyglycolic Acid)およびSurgilon(Black-Braided Nylon)について比較検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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