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文献詳細

雑誌文献

臨床外科35巻11号

1980年11月発行

特集 私の縫合材料と縫合法

私の縫合材料と縫合法—私はこうしている

腸管吻合

著者: 牧野永城1 西尾剛毅1

所属機関: 1聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.1529 - P.1533

文献概要

はじめに
 消化管吻合においては,生物学的結合が完成するまでは,縫合糸が吻合部を支える唯一の存在であり,縫合法はもとより,縫合材料の選択の重要性は言うまでもない.しかし,この重要な縫合材料については,従来わが国ではとかく等閑視されがちであつたのは否めないように思われる.
 筆者は以前にも,外国品に比べてわが国の縫合材料の品質がかなり劣る事,そして品質管理の方法として欧米先進国では薬局方で規定されている1-3)のに対し,日本では日本工業規格(JIS)4,5)で規定されているため,管理が厳格さに欠けること,および,医師のこの領域に関する無関心がこれに一層拍車をかけていることなどを指摘したことがある6).しかしその後何年か経た今日,わが国の縫合糸の品質も見違えるような向上を示した.品質の規格に関しても,製造業者が自ら米国薬局方に則るというような努力を重ね,同時にわが国の医師の間にもこの領域の関心が漸次高まり,今日では欧米の製品に比べてほとんど遜色がなくなつてきたのは,非常に喜こばしいことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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