文献詳細
文献概要
特集 私の縫合材料と縫合法 私の縫合材料と縫合法—私はこうしている
神経系手術
著者: 松角康彦1
所属機関: 1熊本大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.1559 - P.1562
文献購入ページに移動はじめに
神経系疾患の手術療法の特徴として,電気凝固による止血,切断などと,種々の金属クリップの導入による処理が,頻繁に用いられるかわりに,縫合材料による結紮,縫合を行なうことは,著しく限られてくる.また脳手術に際して,脳内に瘢痕・肉芽などを作り,痙攣を惹起することは絶対に避けるべきことであるため,縫合材料による瘢痕・肉芽形成と組織刺激度につき,特別の注意が払われる必要がある.一方,脳血管や神経の吻合手術も手術用顕微鏡の導入以後,症例数も増加しつつあるが,極めて細い縫合糸を必要とする点で特徴的といえる.脳神経外科手術においても永らく絹糸の時代が続いたが,もはや過去20年余り,絹糸の使用範囲は著しく狭められ,僅かに皮膚縫合に習慣的に用いられるに過ぎなくなつた.
神経系疾患の手術療法の特徴として,電気凝固による止血,切断などと,種々の金属クリップの導入による処理が,頻繁に用いられるかわりに,縫合材料による結紮,縫合を行なうことは,著しく限られてくる.また脳手術に際して,脳内に瘢痕・肉芽などを作り,痙攣を惹起することは絶対に避けるべきことであるため,縫合材料による瘢痕・肉芽形成と組織刺激度につき,特別の注意が払われる必要がある.一方,脳血管や神経の吻合手術も手術用顕微鏡の導入以後,症例数も増加しつつあるが,極めて細い縫合糸を必要とする点で特徴的といえる.脳神経外科手術においても永らく絹糸の時代が続いたが,もはや過去20年余り,絹糸の使用範囲は著しく狭められ,僅かに皮膚縫合に習慣的に用いられるに過ぎなくなつた.
掲載誌情報