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特集 癌と栄養 巻頭言
癌と栄養
著者: 武藤輝一1
所属機関: 1新潟大学医学部第1外科
ページ範囲:P.1650 - P.1651
文献購入ページに移動消化器癌患者では,癌が存在するということのほか経口摂取が制限されたりするため手術前後に十分な栄養補給を行なわないと吻合部の縫合不全や腹壁創の哆開などがみられる.ところで栄養補給だけでは前述のごとき心配がないではないが,たとえば食道癌患者ではブレオマイシンあるいは5-flurouracilの投与と照射を術前治療として併用しても,もし高カロリー輸液を行なつていたり,nasojejunal tubeやcatheter jejunostomyの部を介してelemental dietsやその類似のものによる経腸高栄養法が行なわれていれば,この術前治療の間に栄養状態は悪化することはないし,むしろ3〜10kgの体重増加のみられることが多い.従つてそれだけ術後の創治癒も心配が少なくなる.同時に制癌剤投与や照射療法による患者の免疫能の低下も阻止され,中には改善のみられるものもある.
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