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文献詳細

雑誌文献

臨床外科35巻12号

1980年12月発行

文献概要

特集 癌と栄養

消化器癌手術前後の経管栄養

著者: 碓井貞仁1 小越章平1 佐藤博1

所属機関: 1千葉大学医学部第2外科

ページ範囲:P.1665 - P.1671

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はじめに
 高カロリー輸液法は消化器癌の術前術後管理に必須の治療法として定着し,最近は術前術後管理だけでなく,癌化学療法との併用療法としてきわめて有用であることが報告されている3,5,7,18).一方,経管栄養法は古くから行なわれてきた栄養法で外科手術前後の栄養管理に大きな役割を果してきたが,高カロリー輸液法の出現以来,外科栄養法の主役の座を奮われ注目をあびることもなくなつていた.しかしながらGreensteinら6)のchemically defined dietに端を発したElemental Diet(ED)の研究はその後space dietとして発展し23),1968年にVivonex®として製品化された.1976年Kaminski8)はparenteral hyperalimentation(経静脈高カロリー輸液法)に対してenteral hyperalimentation(経腸的高カロリー栄養法)なる概念をうち出してEDによる経腸的高カロリー投与が可能であることを述べ,高カロリー輸液法の陰に隠れていたかの感があつた経管栄養法はEDの臨床応用を契機として再び脚光を浴びる所となつた.経管栄養法はEDを主体として,手術前後になくてはならない栄養法として高カロリー輸液法とともに現在広く用いられているが,本稿では経管栄養法の概要と手術前後の投与法の実際ならびに癌化学療法における経管栄養法の意義について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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