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特集 癌と栄養
切除不能癌に対する制癌剤と高カロリー輸液の併用
著者: 酒井忠昭1 小野寺時夫1 森武生1 冨永健1 北村正次1
所属機関: 1都立駒込病院外科
ページ範囲:P.1673 - P.1681
文献購入ページに移動癌がごく進行した状態であつたり,切除後再発して切除不能であつた場合,従来,姑息手術や対症療法にとどまることが多かつた.近年,制癌剤や癌免疫療法の発展はめざましいが,悪液質に陥つた患者にたいするこれらの治療法にも限界がある.多くは症状を軽減せしめ,あまり長くない寛解期間をうるのがせいぜいであつて,癌にたいする治療効果の基準としての生存率を論議しえないのが現状である.
1967年,Dudrickら1)により高カロリー輸液法(IVH)が確立され,以来その成果はとりわけ外科領域においてめざましい.進行癌患者の多くは低栄養状態にあり,IVHによる栄養の補給はそれ自体患者の一般状態の改善に有効であるが,さらにIVHに制癌剤を併用する方法が注目され,進行癌にたいする治療法の一つとしてその可能性が模索されつつある2,3).
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