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文献詳細

雑誌文献

臨床外科35巻3号

1980年03月発行

特集 血管カテーテルの治療への応用

薬剤の注入

悪性腫瘍に対して;肝癌

著者: 鈴木敞1 眞辺忠夫1 戸部隆吉1

所属機関: 1京都大学医学部第1外科

ページ範囲:P.335 - P.342

文献概要

はじめに
 投与された制癌剤が抗腫瘍性効果を発現するためには,まず一定濃度以上の薬剤が病巣に到達することが大前提である.そのために薬剤は担癌臓器に流入する血管内により,局所性に注入されるほど大なる効果が期待できる.しかし反面,注入臓器の正常機能自体も,高濃度薬剤の影響を受けて,増悪する可能性を考慮せねばならない.例えば,肝硬変随伴肝癌に,強力な局所動注療法を施行し,腫瘍は縮小したが,急速に肝障害が進行して死を早めるごとき場合である.
 周知のごとく肝癌は肝動脈血により支配されるので,肝癌の局所化学療法は,肝動脈内への薬剤投与が一般的である.これら制癌剤による肝癌の動注療法につき,主としてヘパトームを対象として,動注手技や血中α—fetoprotein値の推移からみた抗腫瘍性効果などを中心に述べ,併せてその問題点に言及したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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