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文献詳細

雑誌文献

臨床外科35巻3号

1980年03月発行

文献概要

特集 血管カテーテルの治療への応用 薬剤の注入

潰瘍性大腸炎に対して

著者: 馬場正三1

所属機関: 1浜松医科大学第2外科

ページ範囲:P.357 - P.364

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はじめに
 潰瘍性大腸炎はなお原因が明らかでない難治な疾患である.特に重症例は外科的治療と内科的治療の境界領域にあり,その手術適応の決定がむずかしく,諸家の報告により成績が異なる.
 近年手術成績は向上しているが,白鳥ら1)の本邦集計例でも待期的手術の死亡率は6%であるのに比べ,緊急手術例では33%と高く,Goligher2)の報告でもほぼ同様の成績が報告されている.これは良性疾患の手術死亡率としては非常に高いもので,その原因はいろいろ考えられるが,1)全身の栄養状態が極度に悪化している.2)長期ステロイド大量投与例などが多く,感染に対する抵抗性の減弱,創傷治癒の面でも好ましくない状態にある.3)手術侵襲が大きい,などが挙げられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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