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特集 血管カテーテルの治療への応用 薬剤の注入
血栓症に対する血栓融解剤持続注入療法
著者: 元田憲1 追分久憲1 川崎英1 安田紀久雄1 竹田亮祐1
所属機関: 1金沢大学医学部第2内科
ページ範囲:P.365 - P.371
文献購入ページに移動近年,血栓性閉塞疾患に対する血栓融解療法が広く臨床応用されており,わが国でも幾多の検討がなされている1-8).この血栓融解剤として世界的にはUrokinase(UK),Streptokinase,一部では,Fibrinolysin等が使用されているが9-15),わが国ではUrokinaseを用いている例が圧倒的に多く,血栓融解療法すなわち,UK療法といつても過言ではない.また,これ程一般化したUK療法ではあるが,その療法に対する未解決の問題も多く,なお,万人が認める安全,確実な療法が完成されていないのが現況である.その最大の理由は血栓融解剤であるUKの投与量をどの臨床検査成績をもとに,コントロールするかが未解決であり,従来の抗凝固療法にみられるごとき,"Heparin療法のコントロールは凝固時間をもつて危険域を知り,経口抗凝固剤投与のコントロールは,トロンボテスト,プロトロンビン時間で行う"等の安全なコントロール方法が確立されていないことに基因している.
それ故,著者等は従来より安全,確実な療法として局所持続注入療法の検討を行なつてきたが,以下その自験例を中心に血栓融解療法(UK)の実際について考察を試みる.
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