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Emergency Care—Principles & Practice・9
吐血・下血—(その2)上部消化管出血の手術
著者: 川嶋望1 古川正人1 中田俊則1 伊藤新一郎1 岩本勲1 前田滋1
所属機関: 1国立長崎中央病院救命救急センター
ページ範囲:P.402 - P.411
文献購入ページに移動すべての救急外科疾患と同様に上部消化管出血においても,状態の把握が不十分なために,手術時期を遅らせたり,失血を恐れるあまりに,手術適応を早まつたりしてはならない.
ちなみにわれわれが取扱つた出血性胃十二指腸疾患手術症例の来院から手術までの時間を出血状況別にみると表1のごとく,吐血のみで24時間以内に緊急手術を行なつた症例は少ない.また,吐下血患者の緊急内視鏡施行例の経過をみると(表2),約80%が一応止血している.従つて表3に掲げた手術適応基準は手術時期決定の参考事項であつて,患者各々の病態を加味して判断せねばならない.
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