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文献詳細

雑誌文献

臨床外科35巻3号

1980年03月発行

文献概要

臨床研究

閉塞性動脈硬化症の血行再建成績—とくに四肢動脈病変について

著者: 田辺達三1 川上敏晃1 太田里美1 横田旻1 安田慶秀1 本間浩樹1 杉江三郎1

所属機関: 1北海道大学医学部第2外科

ページ範囲:P.421 - P.426

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はじめに
 近年,平均寿命の高齢化,食生活の向上,社会生活の複雑化,喫煙などと関連して,動脈硬化性疾患が増加してきている.動脈硬化性病変は全身の血管に一様にみられるわけではなく,また欧米例と異なり,われれが扱う症例は四肢動脈の閉塞例がきわめて多く,冠動脈,頸動脈,腎動脈,腹部内臓動脈などの病変例が少ないことは一般に認められている.表1は過去18年間にわれわれが経験した慢性閉塞性動脈硬化症症例213例であるが,四肢動脈の閉塞は164例,77%を占める.
 四肢動脈病変例も検索が詳細になされるにつれ,増加のほか病変が複雑,広範囲,重篤なものを多く経験するようになつてきている.したがつてその外科治療にあたつては,全身的な患者の評価と局所病変の詳細な把握にもとづいて手術適応を決定しなければならない1-5).ここでは四肢慢性閉塞例についてわれわれの経験を述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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