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文献詳細

雑誌文献

臨床外科35巻4号

1980年04月発行

臨床研究

人癌免疫RNA感作リンパ球の抗腫瘍性の交叉性について

著者: 西川鼎二1 山内誠1 佐藤守三1 石岡隆1 高嶋一敏1 佐藤浩一1 町田清朗1 福島松郎1 鯉江久昭1

所属機関: 1弘前大学医学部第1外科

ページ範囲:P.549 - P.555

文献概要

はじめに
 腫瘍特異抗原の存在の証明に始まる腫瘍免疫は,以来多くの研究が成されているが,腫瘍免疫の人癌への応用を考える時,その共通抗原性の問題が重要である.Sjögren1,2)による同一ウイルス腫瘍の共通抗原性の報告があり,また,化学誘発癌の共通抗原性の存在に関して臼淵ら3,4)は同系C3H/Heマウスの異なる乳癌間および乳癌とMCA肉腫間に交叉免疫を認めている.さらには人癌細胞間の共通抗原性の存在を示唆する報告も見られる5-8).著者らはこれまで腫瘍免疫RNA感作リンパ球の抗腫瘍性効果を実験動物およびヒト悪性腫瘍を用いてin vivoならびにin vitroで報告9-12)してきたが,免疫RNA感作リンパ球がヒト他家各種悪性腫瘍に対しても抗腫瘍効果を発揮し得るか否か,すなわち,著者らの用いた癌抗原に腫瘍間共通抗原性が存在し免疫RNA感作リンパ球が抗腫瘍性の交叉性を示すか否か,さらに,各種癌患者の腫瘍の組織型およびHLAと抗腫瘍性の交叉性との相関性についても検索したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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