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文献詳細

雑誌文献

臨床外科35巻5号

1980年05月発行

わが自慢の手術器具・5

秋山式食道鉗子と腸断端鉗子

著者: 秋山洋1

所属機関: 1虎の門病院消化器外科

ページ範囲:P.718 - P.719

文献概要

1.食道鉗子
 胃全摘後の食道吻合,または胸腔内食道吻合では食道鉗子の役割は重要である.従来最も問題になつた点は食道が鉗子から滑脱したり,滑脱しないまでも,操作中食道の縫い代が十分にとれなくなるようなことが起こりがちであつた.とくに食道断端の視野を良好にしようと鉗子を不用意に手前に牽引することにより鉗子から抜けた食道は縦隔の奥深くに引きこまれて困惑することとなる.従来の食道鉗子のこの本質的な欠点を補うために鉗子の刃幅の工夫と,刃自体に組織の挫滅を避ける工夫を加えた特殊な食道鉗子を,製作し,使用している(図1).
 この,食道が滑脱しにくいという理由の1つに鉗子の刃幅がせまいということが大きく関係している.このことにより同時に,鉗子より食道断端側に食道の長さの余裕をもつことが出来る.すなわち食道粘膜に十分ゆとりをもつて吻合操作を行なうことが出来る利点がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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