icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科35巻5号

1980年05月発行

文献概要

特集 癌のリンパ節郭清をどうするか 乳腺

基調論文—乳腺

著者: 泉雄勝1

所属機関: 1群馬大学医学部第2外科

ページ範囲:P.755 - P.761

文献購入ページに移動
乳癌の手術の流れと考え方
 遠隔転移などを有する進行癌を徐いた,一般の乳癌に対して行なわれる主治療はいうまでもなく根治手術であるが,この最も基本的な手技は19世紀末にHalstedあるいはMeyerによつて創始された,今日でいう,定型的乳房切断術,すなわち乳房,大小両胸筋を切除しこれにen blocとして腋窩の郭清を加えるもの(乳癌取扱い規約1)でいう,Br+Ax+Mj+Mn手術)で,これが従来永らく,かつ広く行なわれてきたことは周知のごとくである.
 次にこの定型手術で切除・郭清される範囲のほかに,今から20年程前から,Handley R.S.らにより提唱された,胸骨旁リンパ節の郭清(Ps)や,腋窩の第2次リンパ節である鎖骨上窩の郭清(Sc)などの,いわゆる拡大根治手術(extended radical mastectomy)なども,やや進行した症例を対象として行なわれてきた.ただこの方は,最も盛んに行なわれた年代より最近はやや後退ぎみで,無効とするものもあり,行なうものも症例を選んで行なわれる傾向にある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?