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文献詳細

雑誌文献

臨床外科35巻6号

1980年06月発行

特集 最近の呼吸管理法をめぐるQ&A

人工呼吸の実際

著者: 江端範名1 吉川修身2

所属機関: 1札幌医科大学麻酔学教室 2市立函館病院麻酔科

ページ範囲:P.857 - P.863

文献概要

Q1 気道確保の方法とその管理は?
 人工呼吸管理上の気道確保の方法には,3つの方法があり,おのおの,長所,短所があるので,それを考慮して,その適応を選ぶべきである(表1).意識下気管内挿管1)や,気管切開術の手技は,成書を参考されたい.ここでは,各々の気道確保にあたつての注意点について触れてみる.
 気管内挿管で筋弛緩剤を使用したい時,低酸素血症などにより,心臓の被刺激性が亢進している場合は,SCCの使用は危険であるから,非脱分極性筋弛緩剤を使うのが良い.(脊髄損傷,重症熱傷,腎不全患者等でも同様である).その場合,意識をとるには,Diazepam 10〜25mgを,血圧などに応じて静注する.意識下挿管でも,Morphineを5mg単位で,血圧をみながら,総量20mg位の範囲で静注すると,やりやすい.但し,胃内容の逆流が予想される時は,その限りでない.経鼻挿管は,余裕をもつて,鼻腔内の出血や消毒に留意する.4%キシロカインを,鼻粘膜によく噴霧し,2〜3分待つて,綿棒4〜5本にて鼻腔内をマーゾニン消毒する.すでに経口挿管されている症例では,口腔内を,イソジン含漱水で洗浄消毒しておく.ついで,Phenylephrine20mgを綿棒にひたして,鼻粘膜に塗布する.その後挿管を施行する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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