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特集 大腸癌根治手術の再検討—ポリペクトミーから拡大郭清まで 直腸切断か括約筋温存か
括約筋温存術式の限界,とくに低位前方切除術を中心に
著者: 今充1 村上哲之1 中田一郎1 佐藤光弥1 大内清太2
所属機関: 1弘前大学教育学部看護科外科 2弘前大学医学部第2外科
ページ範囲:P.983 - P.989
文献購入ページに移動直腸癌患者に手術を納得させる時,強い拒否反応が示されるのは,人工肛門造設の必要性が説明されるためである1),術者としても直腸上部や,直腸S状結腸移行部癌に腹会陰式直腸切断術を施行したとして,その摘出標本をながめ,腫瘍下縁から肛門まで,いたずらに長い健常粘膜をもつた直腸をなんとか温存せしめることが出来ぬものかとの考えに思いいたることであろう.
実際,直腸癌手術術式を歴史的に眺めてみても,当然のことながら直腸癌のexcisionが手術の最初とされている(Lisfranc,1826).Pull-through手術も1888年Hocheneggによりすでにおこなわれている.しかし,Czerny(1883)により最初に行なわれたabdominoperineal resectionはMiles(1908)により臨床的病理組織学的基礎が築かれ,直腸癌基本術式として採用されることとなる.
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