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文献詳細

雑誌文献

臨床外科36巻1号

1981年01月発行

特集 RI診断の進歩

骨腫瘍の診断

著者: 高木八重子1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部放射線科

ページ範囲:P.39 - P.44

文献概要

はじめに
 骨腫瘍の診断領域におけるRI診断の主なものは骨シンチグラフィであるので,ここでは骨シンチグラフィの最近の進歩を中心に述べる.骨シンチグラフィは骨腫瘍の病変部が健常部よりRI集積の多い陽性像として描出されるため,検出能の高い診断法と評価されており,よりすぐれた放射性医薬品の開発,実用化と検出器としてのシンチカメラの高解像力化における進歩により,外科領域でも重要な検査法となつている.
 慶応病院で最近行なわれた500件の骨シンチグラフィのうち,外科系診療科からの依頼によるものは66%と半数以上であつた.外科での骨シンチグラフィの利用をみると,その約90%が悪性腫瘍の骨転移検索の目的で行なわれており,疾患としては乳癌が最も多く(57.8%),肺癌,消化器癌と続いている.いずれの疾患においても一般撮影で骨病変が明かに指摘できない早期に,骨シンチグラフィで転移巣の検出が可能であることや,全身のbone surveyとして患者に対する負担が少なく,くり返し行なえることなどの利点が活用されているものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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