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文献詳細

雑誌文献

臨床外科36巻10号

1981年10月発行

文献概要

臨床研究

乳癌組織にみられる石灰沈着とその診断的意義—とくに早期乳癌の診断について

著者: 大橋俊文1 竹村浩1 金井忠男1 田島滋1 土屋周二1 戸沢隆2

所属機関: 1横浜市立大学医学部第2外科 2横浜市立大学医学部衛生学教室

ページ範囲:P.1633 - P.1639

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はじめに
 乳癌集団検診の普及や,乳癌に対する一般的な知識の啓蒙により,早期乳癌症例が増加しつつある1,2).われわれの施設においても,過去2年間に手術した乳癌62例のうち,T1 N0 M0の早期乳癌は24例(38%)であり,1977年以前の同期症例21%(23/112)に較べ著しく増加していた.この原因としては,本邦における近年の食生活の変化に伴う,乳癌の発現頻度の増加と3,4),乳癌の各種補助診断法の発達5-8)が考えられる.
 一方,乳癌の治療は,局所的には外科療法や放射線治療が,全身的には免疫化学ホルモン療法が行なわれているが9-12),乳癌を根治し得る治療法は,未だ見出されていない.しかし早期に発見し得た乳癌に外科的治療を行なえば,良好な治療成績が得られることが報告されている13-16).現在,乳癌の治療成績の向上には,乳癌の早期発見と早期治療を実現する事が,最も重要であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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