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臨床報告
原発性肺クリプトコッカス症の1切除例と本邦報告例について
著者: 中井肇1 坂井邦典1 笠原潤治1 原藤和泉1 米花孝文1 岡本幹司1 卜部貴光1
所属機関: 1中国中央病院外科
ページ範囲:P.1655 - P.1658
文献購入ページに移動クリプトコッカス症は,Cryptococcus neoformansによつて起こる感染症で,病原体は自然界に広く分布し,汚染された土壌,鳩の巣,鳩の排泄物などを介し,主に気道から侵入し,まず肺に原発巣を作り,次いで全身に播種され,髄膜炎などをおこすことが多いとされている.肺に限局し,他に播種されていない状態のクリプトコッカス症は,原発性肺クリプトコッカス症と定義されている.本症の術前診断は困難で,報告例の多くは,術中あるいは術後の検索で本症と診断されている.われわれは肺癌の術前診断で左上葉切除を行ない,術後,原発性肺クリプトコッカス症と診断された1症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
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