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文献詳細

雑誌文献

臨床外科36巻11号

1981年11月発行

文献概要

特集 迷切後の諸問題

潰瘍の再発

著者: 松原要一1 奈良井省吾1 若桑正一1 高桑一喜1 田宮洋一1 鰐渕勉1 松尾仁之1 武藤輝一1

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1703 - P.1708

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はじめに
 慢性胃・十二指腸潰瘍,いわゆる消化性潰瘍に対する外科治療は,主として胃酸分泌を適度に減少させることにあるが,これにはできるだけ潰瘍の再発をおこさせないようにしながら,できるだけ胃機能を温存させ,術後障害を少なくさせることが要求される.そのため最近では,潰瘍を含め幽門側の胃を約2/3切除する広範囲胃切除術(conventional partial gastrectomy,以下,広胃切と略す)だけでなく,潰瘍の位置,胃酸分泌能,成因など各症例の条件に応じて迷走神経切離術(vagotomy,以下,迷切と略す)が小範囲の胃切除術との併用ないし単独で施行されるようになつた.しかし迷切は胃機能を温存した分だけ潰瘍再発の危険が大きいわけで,その適応と術式について今後も検討しなければならないと思われる.
 ここでは著者らの教室の各種手術成績を述べ,迷切の適応について再発の面から検討を加えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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