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文献詳細

雑誌文献

臨床外科36巻11号

1981年11月発行

臨床報告

長期にわたり特異なbehaviorを示したGrawitz腫瘍の1手術例

著者: 黒柳弥寿雄1 加古健1 藤田治樹1 壺井孝良1 安江満悟2

所属機関: 1国立療養所東名古屋病院外科 2愛知県がんセンター外科

ページ範囲:P.1797 - P.1800

文献概要

はじめに
 腎細胞癌に対する腎摘出術の予後は転移がいつ,どこに起こるかによつて決定される.一般に10年生存率でみると18〜23%である1-3).ところが原発不明の転移巣は腎癌を疑えといわれるように初発症状が転移巣のものであとになつて原発巣が発見される症例もかなり多い4).一方においては腎摘出術によつて遠隔転移巣が消失,縮小することが従来より知られており,また腎細胞癌のなかには非常にゆつくりした経過をとるものや,腎摘後多年の間隔をおいてから転移巣が発見されるような報告もあつて,そのbehaviorは極めて多彩である5-11).本報告は発症から腎摘出術までに14年,腎摘後4年半と11年目にそれぞれ孤立性の肺転移が発見され,いずれも摘出が可能であつた全経過25年に及んでいるslow gro—wing typeの腎細胞癌の一例について報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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