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文献詳細

雑誌文献

臨床外科36巻12号

1981年12月発行

文献概要

特集 インスリン併用の高カロリー栄養法

術直後のインスリン投与と高カロリー栄養法

著者: 丸山明則1 松原要一1 武藤輝一1

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1845 - P.1850

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はじめに
 消化器外科領域において高カロリー輸液(以下IVH)は多岐の目的で施行されているが,中でも胸部食道癌根治術,胃全摘,膵頭十二指腸切除術などmajor surgeryの術後の積極的な栄養補給を目的として施行される場合が多い1).しかしこれらの症例のIVH施行時には高血糖と尿糖排泄のみられることが少なくなく,特に膵頭十二指腸切除術(以下PD)や胃全摘膵体尾部・脾合併切除術(以下PST)では,インスリンの投与を必要とする症例がしばしばみられる.
 著者らは最近4年間に術後IVHを施行したPD,PST,胸部食道癌根治術,単純胃全摘の症例で,術式別にIVH施行中の耐糖能と,耐糖能へ影響を及ぼす要因について検討してきた2).本稿ではこの自験例をもとに,術直後のIVH施行法とインスリン投与法について,術後に耐糖能の低下がしばしば認められるPDとPST症例を中心に述べたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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