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特集 晩期癌患者のcare 対症療法の実際
栄養管理
著者: 小野寺時夫1
所属機関: 1都立駒込病院外科
ページ範囲:P.331 - P.333
文献購入ページに移動進行癌患者の栄養代謝の特異性
進行癌患者では,概して食欲不振があり,とくに消化管の癌では経口摂取が障害される.さらに,癌患者は,一般的に,高齢者が多いという特徴がある.
進行癌患者の多くは栄養障害を伴い,やがて,高度になつて悪液質状態になることが多い.この悪液質になる原因は,悪性腫瘍から一種の毒素様のもの(toxohormon)が分泌されて,栄養代謝を障害するためと考えられてきた.近年,高カロリー輸液法などの普及により臨床栄養が著しく進歩したが,癌患者の栄養障害の主要な原因は,独特の代謝障害によるものではなく,適切な栄養投与の障害,または,消化吸収障害によることが判つた.toxohormon様物質が,核酸代謝その他の代謝を阻害することが否定されたわけではないが,癌患者の栄養代謝障害の主要な原因ではない.
進行癌患者では,概して食欲不振があり,とくに消化管の癌では経口摂取が障害される.さらに,癌患者は,一般的に,高齢者が多いという特徴がある.
進行癌患者の多くは栄養障害を伴い,やがて,高度になつて悪液質状態になることが多い.この悪液質になる原因は,悪性腫瘍から一種の毒素様のもの(toxohormon)が分泌されて,栄養代謝を障害するためと考えられてきた.近年,高カロリー輸液法などの普及により臨床栄養が著しく進歩したが,癌患者の栄養障害の主要な原因は,独特の代謝障害によるものではなく,適切な栄養投与の障害,または,消化吸収障害によることが判つた.toxohormon様物質が,核酸代謝その他の代謝を阻害することが否定されたわけではないが,癌患者の栄養代謝障害の主要な原因ではない.
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