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文献概要
臨床研究
食道静脈瘤に対する硬化療法
著者: 曽我基行1
所属機関: 1東京女子医科大学外科 2
ページ範囲:P.363 - P.368
文献購入ページに移動はじめに
現在,門脈圧亢進症に起因する食道静脈瘤の破裂に対する治療といえば,まず何よりも止血対策が優先され,循環・呼吸系の安定を確保した上でさらに保存的療法を続けるか,あるいはシャント手術,直達手術などの外科的療法に踏み切るかを選択するというのが一般的な考え方であろう.
急性大量出血の際,直接止血効果を挙げ得るのはSengstaken-Blakemoreチューブであろうが長時間の圧迫が食道粘膜の壊死を生じ,かえつて出血を助長させたり,胸管のリンパ流を妨げたり,A-Vブロックを起したり,気道内誤飲を生じたり,また圧迫回数がふえてくると全身状態いかんによつてはその後の治療方針がますます難しくなつてくるのもまたびたび経験することである1).
現在,門脈圧亢進症に起因する食道静脈瘤の破裂に対する治療といえば,まず何よりも止血対策が優先され,循環・呼吸系の安定を確保した上でさらに保存的療法を続けるか,あるいはシャント手術,直達手術などの外科的療法に踏み切るかを選択するというのが一般的な考え方であろう.
急性大量出血の際,直接止血効果を挙げ得るのはSengstaken-Blakemoreチューブであろうが長時間の圧迫が食道粘膜の壊死を生じ,かえつて出血を助長させたり,胸管のリンパ流を妨げたり,A-Vブロックを起したり,気道内誤飲を生じたり,また圧迫回数がふえてくると全身状態いかんによつてはその後の治療方針がますます難しくなつてくるのもまたびたび経験することである1).
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