文献詳細
特集 術後1週間の患者管理
文献概要
食道静脈瘤直達手術の対象となる患者は,慢性肝不全による低アルブミン血症,黄疸,腹水,血液凝固障害,糖代謝異常などをもつものが多く,手術のリスクは悪い.また本術式の重要なポイントである広範な血行遮断は,必然的に食道離断部の循環障害をもたらし,吻合部の創傷治癒には極めて不利な条件が重なつている.したがつて術後管理にはとくに細心の配慮を要する.
術後1〜2日間はICU管理を行ない麻酔および手術侵襲による循環血液量,水分および電解質平衡,酸塩基平衡などの乱れをできるだけ早く補正して元へ戻すことが重要である.また積極的に酸素療法を実施して組織のアノキシアを防ぎ,新鮮血漿の大量投与により手術侵襲による肝不全の増悪の回復を待つことが大切である.肝硬変患者の予備力は極めて幅が狭いので,合併症の発生は致命的な結果を招くことが多い.
術後1〜2日間はICU管理を行ない麻酔および手術侵襲による循環血液量,水分および電解質平衡,酸塩基平衡などの乱れをできるだけ早く補正して元へ戻すことが重要である.また積極的に酸素療法を実施して組織のアノキシアを防ぎ,新鮮血漿の大量投与により手術侵襲による肝不全の増悪の回復を待つことが大切である.肝硬変患者の予備力は極めて幅が狭いので,合併症の発生は致命的な結果を招くことが多い.
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