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文献詳細

雑誌文献

臨床外科36巻4号

1981年04月発行

特集 術後1週間の患者管理

胃全摘術

著者: 田中乙雄1 武藤輝一1

所属機関: 1新潟大学医学部第1外科

ページ範囲:P.487 - P.491

文献概要

 胃全摘術の対象となる患者は,癌腫のために貧血,低栄養状態にあり,さらに老人では高血圧,糖尿病等に加え心,肺,肝,腎などの予備能力が減少していることが多い.しかも今日上部胃癌などの進行癌に対しては,積極的に開胸または胸骨正中切開下に広範囲なリンパ節郭清や周囲臓器の合併切除がなされるようになり,その手術侵襲は,はなはだ大きくなつてきた.したがつて術後は綿密な管理が必要である.
 術後管理のチェックポイントは,術直後〜24時間は,ショック,後出血,2〜4日目は肺合併症,4〜7日目は縫合不全となり,これら合併症の発生を予防するため,術後は,麻酔および手術侵襲による循環血液量,水分および電解質平衡,酸塩基平衡の乱れを早めに補正し,十分な酸素療法,吸入療法,肺理学療法を行なうとともに,これら合併症を念頭において管理することが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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