icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科36巻4号

1981年04月発行

文献概要

特集 術後1週間の患者管理

Appleby手術

著者: 小西敏郎1 片山憲恃1 丸山雄二1 和田達雄1

所属機関: 1東京大学医学部第2外科

ページ範囲:P.493 - P.497

文献購入ページに移動
 Appleby手術は胃悪性腫瘍に対する胃全摘術あるいは胃噴門側切除術の際に完全なR2のリンパ節郭清をおこなう術式で,腹腔動脈および総肝動脈を切離し,さらに膵体尾部・脾臓合併切除をおこない,腹腔動脈周囲リンパ節の徹底的郭清をおこなう手術である.従つて通常の胃全摘術あるいは胃噴門側切除術の術後管理に加うるに肝動脈系の血流減少に伴う肝・胆道系への影響,膵断端への注意,脾摘による血小板の増多に留意する必要がある.
 肝動脈血流量の減少による肝機能の異常は術直後から3日目までが著明であり,少なくともこの間は酸素テント内で比較的安静に保つことが望ましい.胆道系および残存膵の虚血性変化によると思われる急性壊疸性胆嚢炎や膵液瘻の発生を認めることもあり,手術時にドレーンの留置部位に留意すると共に術後もドレーンからの流出物に十分注意しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら