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文献詳細

雑誌文献

臨床外科36巻4号

1981年04月発行

特集 術後1週間の患者管理

膵管空腸吻合術

著者: 山本賢輔1 角田司1 伊藤俊哉1 土屋凉一1 西村柳介2

所属機関: 1長崎大学医学部第2外科 2西村外科医院

ページ範囲:P.569 - P.573

文献概要

 膵管空腸吻合術は慢性膵炎,膵石症がその主な適応疾患である,従つて,必然的に膵実質障害に伴う糖代謝障害が高率にみられるためこの方面の術後管理がまず第1に重要となる.血糖,尿糖,ケトン体のチェックを厳重に行ないインスリンによるコントロールをうまく行なうことが肝要である.
 第2には膵実質そのものに侵襲が及ぶため術後の膵炎が問題となる.一旦これが発生すると縫合不全,出血などをひきおこし予後に重大な影響を及ぼす.術中の愛護的操作が何より必要なことであるが,術後は全身状態,血中尿中アミラーゼを追跡しつつ抗生物質による感染予防につとめ,抗トリプシン剤を十分に使用する.
 このほか,大酒家が多いので栄養補給にも注意し,膵尾側切除,摘脾,乳頭形成術などが同時に施行されることがあるので創処置,ドレーンの管理にも細かく気を配る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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