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文献詳細

雑誌文献

臨床外科36巻5号

1981年05月発行

文献概要

特集 Multiple Organ Failure Editorial

Multiple Organ Failure—概念と臨床的意義

著者: 阿部令彦1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科学教室

ページ範囲:P.750 - P.752

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 近年,重要臓器の機能障害の病態に関する理解がすすみ,集中治療技術が進歩するとともに,重症患者の治療成績にめざましい向上がみられるようになつたが,他方,種々の精力的な治療法に反応せずに病像が進行して死亡するもののなかに,複数の臓器が同時,あるいは連続的に機能不全をおこしてくる状態があることが注目されて来ており,multiple organ failureその他いろいろな呼称で知られるようになつた.
 このような病態が関心を持たれるようになつたのは最近のことで,文献的には,Tilneyら1)が1973年に腹部大動脈瘤破裂症例の術後管理上の問題として,sequential system failureを記載したことに始まる.腹部大動脈瘤破裂の術後に急性腎不全を合併し,血液透析を要した患者では,死亡率は18例中17例と極めて高く,その死因は,腎不全の経過中に発症してくる肺,肝,心,中枢神経系,肝,消化管などの臓器の機能不全によるものであることが指摘された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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