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文献詳細

雑誌文献

臨床外科36巻5号

1981年05月発行

特集 Multiple Organ Failure

治療の実際

ショックとMultiple Organ Failure

著者: 安藤暢敏1 篠沢洋太郎1 相川直樹1 阿部令彦1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.779 - P.784

文献概要

はじめに
 ショック治療の成否は急性期循環動態の改善はもちろんのこと,ショックに続発する主要臓器の急性臓器不全,いわゆるショック臓器の治療が左右するといつても過言ではない.歴史的にも戦時医学の発達のなかからショック腎,ショック肺1)の病態が明らかにされてきた.ある臓器不全の治療中にあるいは回復期に他の重要臓器が機能不全に陥り,同時に複数の臓器不全が生じ連鎖的に多彩かつ重篤な病態を呈する多臓器不全Multiple Organ Failure(以下,MOF)が,数年前より一つのSyndrome2)としてとらえられるようになつた.単独臓器不全の管理法の開発進歩には目覚しいものがある昨今,MOFは今なおショック治療の成績向上の前に大きく立ちはだかつており,本邦でも1980年第7回日本集中治療医学会総会会長講演にもとりあげられ,その認識が高まりつつある.
 そこで消化器外科領域においてショックの後に生ずる臓器不全およびMOFに検討を加え,まずその予後を悪くしている因子を探り,それらの中より更にMOF治療に際し留意すべき要点にふれたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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