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臨床研究
肝外胆管癌の血管・胆管造影診断—病巣の進展度と切除適応判定を中心に
著者: 森田穣1 篠原正裕1 入江五朗1 柿田章2 佐々木英制2 葛西洋一2
所属機関: 1北海道大学医学部附属病院放射線科 2北海道大学医学部附属病院第1外科
ページ範囲:P.845 - P.850
文献購入ページに移動肝外胆管癌(以下,胆管癌と略す)の血管造影診断は,動脈造影像が乏血性変化を主体とし,腫瘍陰影像として描記されることが稀であること,胆道の支配動脈が複雑,多岐にわたることなどから直接胆道造影に比較して病巣の局在ならびに質的診断価値には疑問がもたれている.しかしながら胆管癌の進展形式は,粘膜面を這走する縦軸方向のみならず,漿膜面より周囲に拡がる横軸方向への進展もあり,このような病巣進展範囲を術前に診断することが切除可否を決定する大きな因子である.
今回われわれは,胆管壁の分布動脈であるEpichol—edocal arterial plexus,Marginal anastomotic arteryを主体とする胆道周囲動脈,門脈の造影所見を検討し,胆管癌の発生部位別にみた動脈,門脈所見と切除可否,胆道閉塞部位と門脈間の距離による切除適応の判定を行ない,特に胆管癌の病巣進展度診断における胆道—経動脈性門脈同時造影法の有用性について考察を加えて報告する.
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