文献詳細
臨床研究
手術部開設時の細菌検査について
著者: 伊藤祐輔1 中丸勝人1 樋口昭子1 江川アツ子1 宮崎久義1 久世照五2
所属機関: 1富山医科薬科大学附属病院手術部 2富山医科薬科大学麻酔科学教室
ページ範囲:P.985 - P.988
文献概要
手術部あるいは手術室は病院の中で最も清浄度の高い場所の1つとされている.手術部内で働く外科医,麻酔科医,看護婦その他手術部職員は特に清潔に関しては常日頃細心の注意を払つている.病院の開院時あるいは新しい手術部の開設時には手術部内の細菌は如何なる変動を示すものであろうか.すなわち手術部の建築,整備の時期は出入り自由のいわゆる不潔区域であつたものが,部内の消毒を終つて清潔区域となり,更に手術数が増加して手術部としての機能を果して行く際に,細菌数,細菌の種類が如何に変動するかを調べることは意義あることである.富山医科薬科大学附属病院が1979年(昭和54年)10月に開院となり,同時に手術部の開設をみたが,これを機会に手術部開設前後の手術部内各区域の細菌検査を行なつた.今後手術部の開設あるいは改造をする際の参考になればと考えて,その成績を報告する.
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