文献詳細
文献概要
特集 手指の外傷—初期診療の実際
新鮮外傷の創処置
著者: 吉津孝衛1
所属機関: 1新潟大学医学部整形外科
ページ範囲:P.1201 - P.1212
文献購入ページに移動はじめに
第一次,第二次世界大戦における手の戦傷患者の機能回復の成績が極めて不良であることを契機にして,戦後整形外科領域の一分野として「手の外科」が急速に発達し,その治療および成績は飛躍的に発展した.さらに近年,微小外科すなわちmicrosurgeryの導入により切断肢指再接着が可能となり,またその技術を応用した組織移植が外傷後遺症,先天奇形あるいは種々の原因による神経,筋麻痺例などに行なわれるようになり,再建外科としてさらに高度な発展を遂げた.
しかしながらその一方で,手の外傷は日常頻度が高く,かつ生命に支障を来さないためか不適切な初期治療が安易に行なわれ,既にその治療時期を逸し,如何なる治療を行なつても使用しうる手に再建し難い状態となつている患者に多数遭遇することは残念なことである.
第一次,第二次世界大戦における手の戦傷患者の機能回復の成績が極めて不良であることを契機にして,戦後整形外科領域の一分野として「手の外科」が急速に発達し,その治療および成績は飛躍的に発展した.さらに近年,微小外科すなわちmicrosurgeryの導入により切断肢指再接着が可能となり,またその技術を応用した組織移植が外傷後遺症,先天奇形あるいは種々の原因による神経,筋麻痺例などに行なわれるようになり,再建外科としてさらに高度な発展を遂げた.
しかしながらその一方で,手の外傷は日常頻度が高く,かつ生命に支障を来さないためか不適切な初期治療が安易に行なわれ,既にその治療時期を逸し,如何なる治療を行なつても使用しうる手に再建し難い状態となつている患者に多数遭遇することは残念なことである.
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