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文献詳細

雑誌文献

臨床外科36巻9号

1981年09月発行

文献概要

特集 上部胆管癌の外科

病理からみた特徴

著者: 林活次1

所属機関: 1愛知医科大学付属病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.1371 - P.1376

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上部胆管癌の名称
 肝外胆管は解剖学的に一般に左右肝胆管,総肝胆管,胆のう胆管,総胆管(膵外(総)胆管,膵内(総)胆管)などに分けられ,癌が発生した部位によりそれぞれ左肝(胆)管癌,総肝(胆)管癌などと呼称している.しかし,臨床上,肝門部癌,上部胆管癌,三管合流部癌等の名称も用いられている.肝門部癌と上部胆管癌の定義は大体同一の意味で使用されているが,若干異なる考えをもつている報告者もいるようである.肝門部胆管癌は左右肝胆管ならびにその合流部に原発するもの,あるいは総肝胆管に原発する癌腫が肝胆管合流部に波及したものに対して用いられている.上部胆管とは胆道外科取扱い規約による分類(案)(「胆と膵」1巻7号801頁〜813頁)では肝外胆管を左右肝胆管の合流部から膵上縁までの部分を二等分し,その肝側を上部胆管と規定しているようである.この上部胆管部に発生した癌を上部胆管癌という訳である.しかし,一般には左右肝胆管に発生した癌も含めているようである.筆者としてはやはり解剖学的規定に従つた分類命名を用いたい.しかし,今回は編集者の依頼に従つて肝胆管癌も含めた上部胆管癌について病理組織学的見地から述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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