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文献詳細

雑誌文献

臨床外科36巻9号

1981年09月発行

特集 上部胆管癌の外科

切除療法

私はこうしている

著者: 岩崎洋治1 岡村隆夫1 西村明2

所属機関: 1筑波大学臨床医学系外科 2千葉県立がんセンター消化器科

ページ範囲:P.1391 - P.1396

文献概要

はじめに
 左右肝管合流部の胆管癌をわれわれは肝門部胆管癌と呼んで1),その手術術式に工夫を加え2),手術手技を考慮しながら4型に分けてみた3)
 この特集は上部胆管癌の外科であるが,日本胆道外科研究会編の胆道癌取扱い規約によれば,上部胆管はLongmireの記載に準じて,解剖学的な総肝管に相当する.すなわち左右肝管合流部を上縁として,胆のう胆管合流部を下縁と規定している.ところがこの上部胆管に原発したと思われる胆管癌の大部分は,左右肝管合流部に浸潤し,逆に左右肝管合流部や左右主要肝管に発生したと思われる胆管癌は,上部胆管まで浸潤しているものが多い.このこともあつて同規約でも肝門部胆管癌を左右肝管合流部付近を占居する癌腫(本来ならば胆管癌と記載すべきであろう)を総称するとして,その名称を温存している.別に規約について述べるつもりは毛頭ないが,厳密な意味で上部胆管癌に話題を限定すると症例は極めて少数となり,また実際には上部胆管癌と肝管癌すなわち肝門部胆管癌についての特集になるものと想像される.言葉というものは厄介なもので,一度決めると次から次とそのためだけの註釈が必要となり,言葉の解釈を職業とする人さえ必要となつて来る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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