文献詳細
特集 術中エコー
肝切除への応用(3)
著者: 幕内雅敏1 長谷川博1 山崎晋1 万代恭嗣2 伊藤徹2 渡辺五朗2 阿部秀一3 室井龍夫4 島村善行5
所属機関: 1国立がんセンター外科 2東京大学医学部第2外科 3東京都立広尾病院外科 4自衛隊中央病院外科 5国立療養所松戸病院外科
ページ範囲:P.45 - P.53
文献概要
肝切除に際して術中に超音波検査を応用することによつて,深在性の腫瘍や腫瘍栓,肝静脈や門脈枝が認識でき,実質臓器である肝臓の透視をしながら手術を進めることが可能になつた.この事実は,肝切除の歴史に大きな変革をもたらした.すなわち系統的亜区域切除術という繊細で緻密な手術法が生み出されたのである.
本論文では,術中超音波検査の歴史,系統的亜区域切除術が必要とされる理由,系統的亜区域切除術の実際について述べるとともに,1982年の年頭に当つて,今後の肝切除術と術中超音波検査の展望にも論及する.
掲載誌情報