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カラーグラフ・9
切除不能な膵体部癌—開創照射と胃切除(B-Ⅱ法)
著者: 高木國夫1 竹腰隆男2 大橋計彦2 丸山雅一2 金田浩一3
所属機関: 1癌研究会附属病院外科 2癌研究会附属病院内科 3癌研究会附属病院放射線科
ページ範囲:P.1459 - P.1464
文献購入ページに移動切除不能な膵癌に対して,当院放射線科で放射線による外照射により,疼痛の軽減を来したりして,稀であるが,照射後7年生存した症例の経験もある.開腹して直接病巣に放射線をかける開創照射は,膵癌巣にある程度組織学的にも癌巣の壊死を来し,疼痛の消失をみとめている.しかし,進行した膵癌では,膵頭部癌による十二指腸浸潤や膵体部癌による十二指腸から空腸起始部にわたる浸潤がしばしばみとめられ,通過障害を来している症例が多い.開腹時,単に病巣に直接照射するのみでなく,同時に胃切除を行つて,Billroth Ⅱ法で吻合を行えば十二指腸から空腸起始部の通過障害を避けることが出来る.両者の意味で放射線科と外科との協調による切除不能な膵癌のPalliationとして,開創照射と胃切除を行つている.この術式は,麻酔科,放射線科,外科の協調のもとに,放射線治療室で胃切除と開創照射を同時に行つている.
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