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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻10号

1982年10月発行

文献概要

特集 新しい抗生物質と外科 消化器外科と抗生物質 感染を防止するにはどうするか

上部消化管手術

著者: 石引久弥1 相川直樹1 三吉博1 奥沢星二郎1 内田博2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科 2慶応義塾大学医学部中検細菌

ページ範囲:P.1489 - P.1494

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はじめに
 消化器手術後に発生する感染症には多くのものがある.その主体は手術野の細菌性感染症であり,その予防および治療には抗生物質を中心とする抗菌剤による化学療法が大きな役割を果している.最近の数年間に開発,臨床導入されてきたペニシリン系,セフェム系抗生物質は従来弱点となつていたグラム陰性桿菌に対する抗菌特性が飛躍的に向上し,しかも致命的な毒性を示す頻度も無視しえるほど低率である.
 このような現状を表面的にうけとると,抗生物質は外科領域でも極めて安易に,十分な適応を考慮せずに抗生物質を使用する風潮をもたらしやすい.手術後の感染症の対策の基本は手術手技自体にあることをあらためて認識すべき時点でもあるし,新旧の抗生物質の特性を理解した適正な化学療法が特に望ましい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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