icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻10号

1982年10月発行

文献概要

特集 新しい抗生物質と外科 消化器外科と抗生物質 感染をおこしたらどうするか

尿路感染症

著者: 大川光央1

所属機関: 1金沢大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.1529 - P.1533

文献購入ページに移動
はじめに
 化学療法の進歩は,感染症の治療に大きく貢献したが,一方では種々の抗菌剤に対する耐性菌の増加をもたらすなどの変貌をも来たした.近年,高齢者や重症者に対しても手術適応が拡大されたこととも関連して,尿路と直接関係を有さない消化器外科領域においても尿路感染症(以下,UTI)が問題となつてきている.その最大の原因は,消化器外科術後患者においてしばしば間歇的あるいは持続的導尿による尿路管理が必要とされ,このカテーテル操作がUTIを惹起するものと考えられる.カテーテル操作に伴うUTIは,院内感染の一種とも考えられ,原因菌の多くは種々の抗菌剤に対して耐性化傾向の強い,いわゆる日和見病原菌であるのが特徴である.
 本稿では,消化器外科術後の尿路管理の主体をなしている留置カテーテルによるUTIに焦点を絞り,テーマの趣旨とは若干はずれるかもしれないが,感染予防対策について述べるとともに,UTI発症の際の化学療法についても触れたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?