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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻10号

1982年10月発行

文献概要

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文献抄録

著者: 栗原博明1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.1547 - P.1547

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癌に対する部分的な高熱療法
 Regional Hyperthermia for Cancer/H. W. Baker, P. A. Snedecor & J. C. Goss, et al.:Am. J. Surg., 5(143):586-590, 1982.
 近年,臨床化学の進歩に基づく臨床研究の発達や種々の装置の技術的開発により,高熱療法(hyperthermia)が脚光をあびている.高熱療法の理論ないし長所は,(1)実験的に癌細胞は正常細胞よりも熱に弱いことが示されており,さらに低酸素状態やpHの減少で,この性質がより著しくなる.(2)多くの腫瘍が正常組織よりも熱を吸収することが,実験的にも臨床的にも示されている.この原因は,正常組織は血流を増加させることによつて熱を放散することができるのに対して,腫瘍はこの機能を欠いているからである.(3)放射線照射の効果は,高熱下で増強する.その理由は,照射に強いS期の細胞が熱に弱いことと放射線によつて死にかかつた細胞は高熱温では回復しにくい.(4)(3)と同様の効果が化学療法においても認められている.(5)部分的な高熱療法の副作用はほとんど認められていない.(6)高熱療法はくり返し行つても安全である.(7)高熱療法には発癌性はない,などである.そこで部分的な高熱療法を臨床的に用いた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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