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文献詳細

雑誌文献

臨床外科37巻10号

1982年10月発行

臨床研究

末梢動脈閉塞性疾患に対するプロスタグランジンE1経中心静脈持続点滴投与法

著者: 松前孝幸1 井出誠1 小泉雅典1 鈴木正徳1 西連寺完茂1 俣野一郎1 渡辺晃1

所属機関: 1国立水戸病院外科

ページ範囲:P.1569 - P.1575

文献概要

はじめに
 バージャー病,閉塞性動脈硬化症などの末梢動脈閉塞性疾患の治療は難しく,従来より各種の手術的,保存的療法が行われて来た.しかし,何れも病態に対する根本的治療とはなりえず,耐えがたい疼痛,組織壊死のため最終的に四肢切断を余儀なくされる例は少なくない.動脈閉塞性疾患の治療は,糖尿病,高血圧症などと同様に,一生,長期にわたる管理が必要との認識に立たなければならない.患者の社会復帰の目的には,手術療法のみでは限界があるため,いわゆる保存療法として,血管拡張剤,抗凝固剤,線溶酵素剤,鎮痛剤,高圧酸素療法などが併用されている.
 以前はこの疾患に対し卓効ある薬剤がなかつたが,最近プロスタグランジンE1(以下,PGE1と略す)が画期的な薬剤として注目されている.われわれは,今回PGE1投与法の新しい試みとして,動脈閉塞性疾患患者に中心静脈より持続点滴療法を行つた.この方法は,今後手術療法とあいまつて患者管理の有力な手段として推奨すべき治療法と確信するに致つたので,ここにわれわれの成績を報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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